タイムスリップ
すでに終了してしまいましたが、先日新宿のプロムナードギャラリーで、東京都立芸術高校の展覧会が行われていました。
この芸術高校は、私の子供(高校2年)が通っている高校なのですが、私の母校でもあります。
都立の高校でありながら、普通授業の他、美術の実技時間がかなり多く行われ、毎日のように遅くまで学校のアトリエでデッサンをするような所です。
・・と書くと、私が毎日遅くまでデッサンしていたみたいに聞こえますが、私はまったくの不真面目な生徒でした。。(苦笑)
そんな反面教師を見て育ったからでしょうか?息子はいたって、まじめに課題に取り組んでいる様子。いったい誰に似たのでしょう?
自分が高校生だったころ、まさか自分の子供が同じ校舎で学ぶなど夢にも思わなかったのですが、人生って不思議です。
その学校の作品展示が家からほど近くのプロムナードギャラリーでやっているので、行ってみると驚きました。
高校生とは思えないほど作品は充実していて、その表現力にびっくりしました。
私の時よりも皆大人びて、プロっぽいです。美大生の作品だと云っても通るでしょう。
日本の芸術系の大学は、進学した後は、絵の技術を学ぶことよりも、ひたすら課題作品を作るような場所です。皆、大学を受験するまでに、必要な技術を習得し、入学した時には、何でも描けるというのが当たり前というのが実情のようです。
絵を上手く描くことの意味とは何なのでしょう?
今となってはそんな問いにぶつかる時もありますが、絵を描くことの楽しさや、自分の表現したいイメージを創り出すための技術や基礎を、この芸術高校で学んだのだと思います。
当時の校風は今でも変わらず、都立高校とは信じられないぐらい、自由で個性を大切にしてくれるような教育
方針。あまりにも個性豊かな学友の中で、自分の個性って?という、アイデンティティー確立のために苦闘した頃が懐かしい思い出になっています。
自分って誰?って、あの頃からずっと考えていたのだろうなあ。
おまけに古びた校舎はまったく30数年前と変わらなかったり、息子がお世話になっている先生が私の先輩だったりと、懐かしさを通り越して気分はタイムスリップしたような感覚。
絵の具の匂いに包まれた薄暗い埃っぽいアトリエの教室に立ってる自分を久しぶりに思い出しました。
プロムナードギャラリーの作品を眺めながら、若かった頃を思い出したりして、若い創造性や表現に出会い、たくさん元気をもらいました。