不思議な国のインナーチャイルド
今年もインナーチャイルドワークショップが長いゴールデンウィークにスタートしました。
今年のテーマは「ファンタジー」
ファンタジーという言葉からあなたは何を連想しますか?
ファンタジーは「空想」「幻想」という意味を持ち、そこから派生する物語は、空想文学すなわち児童文学とも重なるイメージで広く捉えられているようです。
絵本、童話、昔話もファンタジーの分野に入るでしょうし、古くさかのぼれば、ギリシャ神話へと行き着きます。
その世界があまりにも広いことから、ファンタジーはやがて個々の分野へ枝わかれし、やがては漠然としたジャンルとして位置づけられている感があります。
ファンタジーは、ここ数年、私が興味をもち、深めてきた題材でした。
そもそも、私自身ファンタジーに対しあまり親しみが深くなく、自分の中ではそれこそ異世界の分野でした。
ファンタジーについて、当たり前ですが、「とても好きです」という人、「ファンタジーはあまり・・」と反応の薄い人にわかれます。
私も、ファンタジーは子供のためのお伽話・・と思っていた時期がありました。
子供時代は、ありきたりな空想好きな子供には違いありませんでしたが、空想の背景は、妖精や魔法使いがかっ歩するような幻想世界ではありませんでした。
お伽話に在るような、めくるめく非現実的な世界へ踏み込むよりは、日常の生活を自分の空想力で脚色することに時間を費やして過ごしました。
現実世界のことを1次世界とするなら、ファンタジーは2次世界を指します。
しかし、「指輪物語」で有名なトールキンや、「ネバーエンディングストーリー」のエンデ達が描き出すハイ・ファンタジーの中では、「夢」や「宇宙」「霊界」などの精神世界、いわゆる第3世界へと通じるパイプとしての存在感を示しています。
魂や宇宙をファンタジーだと片付ける人もいないと思いますが、どちらも形のないもの、理屈では証明できないものです。
現実の生活はむしろファンタジーに満ちているのかもしれません。
たとえば、心の中で起こる感動や不安はどこからくるのでしょう?
現実に心の中で起こっている理屈では片付けられない感覚や印象をひとたび言葉にしようとしたとたん、ファンタジーの力をかりる以外、その手だては見つからないような気さえしてきます。
空想する力そのものがファンタジーだとしたら、子供時代の私も十分にファンタジーの恩恵を受けて育ったといえそうです・・。
アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)が伝承する儀式の一つに「ビジョン・クエスト」があります。
ビジョンクエストとは、自然の中で一人きりで、過ごすネイチャーワークです。
このビジョンとは自然と繋がることで受け取る知恵や真理、そしてクエストとは探求という意味があります。
現実生活とかけ離れた生活の中で自然の叡智を探し求める旅なのです。
「クエスト」探求という言葉はファンタジーの世界では、親しみのあるアイテムでしょう。
物語の主人公達は皆、何かを追い求め、探す旅に出かけるのです。
それは秘宝だったり、魔法の力だったり、謎の答えだったり、、。
答えが出てしまったら、その旅は終わりを告げます。
だからこそ、旅を楽しむには、そのプロセスを楽しむことが必須条件です。
到着地よりも、その道中を楽しむこと。
それが旅なれた者が教えてくれるコツです。
インナーチャイルドを探す旅も同様に、怖れや不安、そしてワクワクを感じるものかもしれません。自分自身の深い心の扉を開いたとき、迷宮への旅が始まるのです。
参加者のみなさんにとって、5日間のワークはそんな、どきどきわくわくする体験だったでしょう。
皆恐れを乗り越え、自分自身の心のエッジまで行き着きます。
そこで観たものは・・。
それぞれの深い心の中で来る広げられる、ハイファンタジーの世界を体験する5日間。みなさんが、心に潜む大切な宝を持って帰り、現実の世界で活しはじめていることを願っています。
愛とともに
吉田エリ