参加者の声【テクニカル専修講座 2016】-2

私は小さい頃からアートが大好きで、アートの道に進み幸いアートに携わる仕事をしているけれど、
なんだか人々にアートの力を伝えきれていない、そもそもアートの力って何だろうという思いを抱えていました。
何より自分がいつの間にか気軽に楽しく絵が描けなくなって苦しい日々を長年過ごしていました。
そのような中でアートセラピーの講座を見つけて、学びたいのは勿論だけどもまずは自分自身が体験し癒されたいと思い参加しました。
アートセラピーという言葉から、温かく包み込まれるような優しい癒しをイメージしていった私は甘かった。
未知の自分に出会えるかな?自分の深いところまで向き合えたら何かが変わるかな…そういった淡い期待を抱いて心の準備はしてきていたつもりだったけれど、期待以上の(笑)壮絶な解放と癒しを体験しました。

ワークの途中では、ここでこれを出すのか!これは今回向き合うつもりなかったことなのに…とか様々な抵抗や不安が出てきました。
けれど一緒に参加した仲間への信頼感とエリさんやスタッフ皆の温かいサポートがあったおかげで始終安心した空気に包まれ、自分と向き合っている”今ここ”を強く感じながら、自分をどんどんさらけ出していくことができました。
自分を隠し切れなくなっていました。また、周りの皆の姿を見て「表現する人はなんて美しく、素のその人であることはどうしてこんなにも素敵なんだ!」という感動にいつも包まれていました。
自分一人で参加しに来たのに、気づいたら”みんな”になっていて。
自分ひとりではきっと成しえなかった創造がそこにありました。

自分の内面を出すことが良しとされる空間、それをみんなが本当に温かく応援し見守ってくれる愛に満ちた空間がとても有難く尊く感じられ、こんなにも心地よく初日から素の自分でいることが自然にできる環境は、一体いつぐらいぶりだったろう…もしかしたら初めてだったかも…そんな気もしました。
それくらいお互いが信頼と安心と愛でつながった素晴らしい空気が流れていた、かけがえのない5日間でした。
専修講座では美術だけでなく様々なアプローチで自分を表現する機会があったことが私には良かったです。
ワークを通して自分の中にまだ知らなかった自分がいたこと、こんなにも表現をしたりする自分、力強い自分がいたんだ、と自分を見つめ直す機会を得て、沢山の驚きや発見がありました。
特にボイス・ダンス・ドラマワークは小さい頃から苦手で嫌だったことなのに、いざやってみると楽しくて心地良くて、自分をどんどん解放出来ているのを感じて、ドローイングワークよりも深い解放・癒し、生命の歓びを感じることが出来ました。小さい頃の苦手が私の一生の苦手ではないんだなと気づかされました。

日ごろマインドに主導権を渡して生きていがちな私たちが、身体にだけ主導権を与えてみる、心にだけ意識を向けてみる。私には初めての経験でした。
ワークではひたすら描く、ただ動く、声を出す、音を奏でる、といつもならエネルギーを使ってクタクタになりそうなのに、逆にいくらでも続けていられそう、もっと表現続けたい、そんなパワーが身体の奥底から湧いてくるのを感じて驚きました。
私はいつも自分のエネルギーの節約ばかり気にして生活していたけれど、本当はこんなに力があるんだ、ただその根源を忘れてしまったり、塞いでしまったりして、繋がっていなかっただけなんだ!と大きな気づきを得ました。
マインドと心と身体と、3つが繋がってバランスがとれていることがどんなに大切だろうか、そしていつも自分がそんな状態に立ち返られたならどんなにワクワクする生き方が出来るだろうかと強く感じました。

そんな大切な繋がりを全身全霊を持って体験し、沢山の喜びを感じた5日間でした。
軽井沢のアトリエという素晴らしい環境の中。
美しい自然が見渡せ、朝にはきれいな空気が満ち、周りには鳥や虫たち生命の声が響き渡る。
日が暮れるとロウソクの灯が至る所に灯り、とびきり美味しいご馳走で楽しく食卓を囲み、ゆっくりと夜の時間を一日の感謝と共に終わらせていく。
こんな風に一日を過ごすことが出来るんだという、忘れたくない感覚を味わいました。
この夏にこのような特別な時間を過ごせたこと、本当に感謝でいっぱいです。
ありがとうございました。
[37才 女性/中学美術教諭]

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