参加者の声【絵が描ける脳をつくる in 北軽 2017】私が描いた絵

絵を上手く描けるようになりたかった。

母は絵を描くのが上手くて、母が絵を描いているのを、私は幼い頃からよく見ていた。
母に私が描いた絵を見せると「私の娘だからできて当たり前。」と言われた。絵にかかわらず、出来ないことがあっても「私の娘だから出来るよ」と子供の頃からずっと言われてきた。
周りの友達にも「絵を描くのがうまいね」と言われるけれど、自分ではそんな風に思えなかった。

そんな私は、絵を上手く描けるようになりたいと思って、このワークショップに参加した。なぜ、絵が上手くなりたいのか、申し込んだ時点では、よくわかっていなかった。

ワークショップ始めの自己紹介の時、気がつくと、私はみんなに、母との思い出話をしていた。

「私が小さいころ、夏休みや冬休みになると、よく絵を描く宿題が出されました。私が描いたものを母に見せると、きまって母は手直しをしてくれました。
母が手直ししたその絵は、入選して金賞。でも、なんだか、うれしくありませんでした。。
それは、きっと、私は、自分で絵を描いてる気がしないと思ってたからだと思います。」

そう話しているうちに、小さな私が、母の重たくて温かい、なんともいえない重圧から解放されたいと思っていたということに気がついた。

そしてワークが始まり、さらに心の中の闘いが表面化してきた。

「私は、母の操り人形じゃない!」「私は私だ!」私は、デッサンしながら自分に言い聞かせていた。

でも、エリさんやサポートの方から、「ここはどう見える?これは、こんなふうになっているのかな?」と言われ描き直していると、小さい時の母とのやりとりと重なって、目の前の絵が自分で描いたものだと思えなくなっていった。

思わず「これは私が描いてる絵ですか?指摘されて描き直して、それでも私の絵と言えるのですか?」と聞いてしまった。
すると彼女は、「あなたが描いた絵だよ!」と言いきった。

「あなたが描いてるんだから、あなたの絵だよ!」と。

私はとても安心した。
私の中の小さな私は、他の人に「私が描いた絵」として、はっきり認めて欲しかったのかもしれないし、なにより、自分に認めてもらいたかったのかもしれない。

そして、自画像を描き上げた。

自分の顔(外側)をデッサンすることで見つめ、自分の心(内側)を表現アートを通して見つめた5日間。
気づくと、確かに「自分で描いたと思える」2枚の絵と私の魂たちが目の前にあった。

また今回もすごくたくさんの気づきを得た。

描く方法さえ知れば、絵は誰にでも描ける。それは本当だと思った。
描き方を教わることで、実際に前に進めた。
お手本を見て真似をしたり、人から教えてもらうことは大切だとやっと思えた。幼いころ、手直しされることや、お手本を真似をすることは、まるで自分がいなくなるような感覚になり、抵抗していたけれど、自分がなくなるどころか、自分が見えてくることだと知った。
「真似る」が「学ぶ」の語源だいうことを、どこかできいたことがあるのを想い出した。その通りだなと実感した。

そして、ワークを通して私は少し解放されたと思う。
描き上げた自分を作品を見て「上手く描けた」と素直に思える自分になれていたことが嬉しかった。

家に帰って、別に嫌いなわけではないけど、遅咲き反抗期な自分が、母へ素直に「ありがとう」といえた。
褒められるのはまだまだ苦手だけど、でも、今回は「自分で出来た」と思えたから、褒めてくれた母に素直に「ありがとう」といえたのだと思う。

私が今回このワークショップに参加した理由は、絵を上手く描けるようになりたいという気持ちの奥底に居た「認められなかった自分」を見つけて、「私」として抱きしめるためだったのだとわかった。

5日間、一緒に過ごしたみんな。エリさん、サポートのみなさん、ほんとうにありがとうございました。

最後に自分へ「ありがとう」

ワークショップ前に描いた自画像
ワークショップで描いた自画像

REPORT

【絵が描ける脳をつくる in 北軽 2017】
Drawingアートセラピー入門 Self Portrait ~真我を描く

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