参加者の声【Creative Drawing WS 2017 in 北軽井沢 vol.2 】私の生きる道

「自由に絵を描きたい。」
そう思って、7年前にはじめてアトリエワイエスの表現アートセラピーのワークショップに参加しました。
ワークに参加する度に、絵を描くことがどんどん楽しくなりました。

でも、最近になって、さらに絵の勉強がしてみたいと思い、専門的な知識や技術を学ぶために美術大学に通いだしてから、どっぷり人の評価の中に生きていました。
そのうちに絵筆が進まず、怖くて描けないようになり、委縮している自分と向き合う日々が続きました。

表現アートセラピーのワークショップの中で、クレヨンとパステルでパワフルに無我夢中になって描いている自分はいったいどこに消えてしまったのか・・・?

もう一度原点に還りたい。
私の描きたい素直な気持ちをもう一度思い起こしたい。
そんな想いで参加しました。

ワークが始まると、美しいものを見て素直に感動する自分がいました。
豊かな自然環境は、自分自身に戻ることを助けてくれましたし、モチーフそのものになって描くワークでは、時を忘れ、素直にまっすぐに「今」に集中できました。

特に2日目のクロッキーの時間は本当に楽しかった!すべてから解き放たれたような素晴らしい時間でした。

しかし、最終日のワークで「景色をみて、記憶に残像したものを自由に感じたまま創作する」という課題を出されたとたん、人の評価を気にして委縮して難しく考える自分に舞い戻ってしまいました。

それまでのワークは描く対象が決まっていたので、スッと集中できたのに、最後のワークは内容が少し複雑で、いつの間にかそういう雰囲気が半月前に大学で受講した授業風景と重なったのです。
シンプルに感覚を楽しんでいた状態から離れ、構成や色や形のことを難しく考えてしまい、楽しめない状態に変化していました。

頭ばかりが働いて、感じることを忘れて描いた絵は、枠に捕らわれた説明的な絵になってしまいました。気に入らなくて描き直しているうちに、終了の時間が迫り、さらに緊張が増し、、、そのうちに、どんどん自分に対し怒りのエネルギーが高まっていきました。

なんとかできあがった作品を離れて見て愕然としました。飾られた絵は、萎縮した自分そのものでした。ものすごく悲しくてショックでした。

自分に対する怒りはとどまることを知らず、「上手く描こうとしている。だから魅力ない絵だ!」と、どんどん自分を攻め立てていきました。

さらに、他の人が描いた絵と並んでいるのを見ていると、自分だけ楽しめずに描いていたように思え、勝手に一人で落ち込んでいきました。
「あぁ、このアトリエに大学の先生はいないのに、彼等の評価を気にして絵を描いていたんだ・・」
そんな自分に本当にぞっとしました。

ワークは現状の自分と向きあう結果で終わってしまいましたが、その気づきはワーク後の自分に大きな変化をもたらしました。それは、人の評価の中で絵を描くのをあきらめたこと。やめたこと。

「もうあの学びの場所には戻らない…。」
少し極端な行動か?と、何度か戸惑い、自分の中で対話を繰り返しましたが、最終的に退学することを決意しました。
退学届けを書きながら、等身大の自分で自由な絵を描くことこそが、私の生きる道なんだと自分自身に言い聞かせました。
これからは、既存の技術や知識に捕らわれることなく、自分の心の底から湧き上がる喜びを素直に表現しようと決心し、今、新たに歩み始めています。

「アートとはなにか?」
今の私にとって、アートとは「ありのままの自分を信じて表現すること。」これにつきます。
今後の変化も楽しんでいこうと思います。
ありがとうございました。