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心を揺らす出来事が起こった時、心の揺れを無理矢理止めようと無視したりどこかに押し込めてまうのは良いアイデアとは言えません。もしも、好ましくない出来事が起こった時(起こったように感じた時に)感情が揺れて、不調和を感じたら、まずそれを止めたり、押し入れに放り込んだりしないで、まずは観察してみましょう。

心の揺れやネガティブな感情は、居心地悪いものなので、ついなんとかしようと躍起になってしまうものですが、そんな時の感情は、自分の手に負えるものではないのです。無理やり、無かったことにしようとすると、それは自分の中で燻り、いつしか意味のわからない落ち込みの原因となってしまいます。

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期待は限定した結果に執着することから、危険を伴う行為になってしまいます。期待の持つワクワクとした高揚感はそれ自体悪い物でもなんでもありません。

この純粋なエネルギーを効果的に使うためには、結果や可能性について、自分の頭でイメージするものに捕らわれずに、「何が起こるか楽しみにしよう」と、そして、「もしかしたら期待以上の事がやってくる」と思い込んでください。

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何かに期待しようと思ったとたん、頭のどこからか「騙されるよ…」という声が聞こえてくることがあります。その声の裏には、「期待は裏切られる…」という思いがあるのですが、これは立派な観念です。

人間が、「信じたいことを信じられず」に、「信じたくないことを信じるしか無い」のは、この思い込み(観念)が働くから。これまで、期待し信じては、当てが外れ落胆を繰り返してきた経験から、その不快感をもう味わいたくないという思いが働くのでしょう。

不信は、傷つきやすくなった自分の心を守るための防衛本能の声なのです。

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やるべきことがあるとしたら、それは「楽しむこと」「休むこと」ぐらいです。好奇心が高まったら、ぜひ楽しんでください。そして、疲れたらただ休んでください。それがエネルギーを順行に働かせる秘訣です。その他にやらなければ困ってしまう事態など、そうあるものではありません。日常はやらなければならない事、やるべき事などの雑事で溢れています。

しかし、そのすべてが価値がないということではありません。それらは、かつて自分がやりたかったことなのです。やっている課程で、このエネルギーの使い方を間違ってしまうと、気分が停滞し、やがてやりたいことを見失ってしまうのです。

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「面倒くさい」という呪文は、すべての意欲を無くしてしまう効力を持っています。反対に言えば、自分の無気力を正当化する呪文でもあります。面倒くさいことを正当化しつづけると、最後は生きることさえ、面倒になってしまいます。もちろん、好きな事など見つかるはずもありません。人生に覇気を失わせてしまうこの言葉が頭に浮かんだら、すぐに自分に問いかけてみてください。

「自分は何を怖れているんだろう?」本質を見つめることへの怖れがやがて、生きることへの疑問を作り出し、すべての意味を失わせてしまいます。「面倒くさい」とは、それくらい強力なネガティブなパワーを持っている呪文です。

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やりたいことは、いつしか面倒くさいものに様変わりしてしまい、さらに時間が経つと、「やらなければならない、やりたくないもの」へと化けてしまいます。
もしも、あなたの人生が、やりたくないものばかりに囲まれているとしたら、それは見方を変えると、かつてやりたかったことたちの墓場にいるようなものかもしれません。