雨模様の北軽井沢を後にして県境の長いトンネルを抜けると目が醒めるような青空だった。ふと「雪国」の冒頭の一節が頭に過ぎり、小説家は暗闇から急に現れた光る雪景色を見てあの一節を書いたに違いないと思った。刈り入れを待つ棚田の稲…
art
未来のフォース~美術館にもの申す
イタリア「未来派」の美術家・デザイナーであるブルーノ・ムナーリは、近代のデザインに多大な影響を与えた存在として知られている。私がムナーリを身近に知ったのは、子供に絵本の読み聞かせをしていた頃だった。今でも人気がある「スイ…
ゆっくりとした情熱 – 伝説の写真家ソール・ライター回顧展にむけて
「その写真展、観に行きましたよ。エリさん、きっと好きだと思います」 友人の言葉に背中を押された。鎌倉と北軽井沢と往ったり来たりの日常。久しぶりに文化の匂いを求め、気になっていた写真家の展覧会を見に上京することにした。空梅…
鎮魂〜西国アート体験の旅〜Vol.2
石に魂が宿る。 そんな理をいつしか信じるようになって、石に対するつきあい方が変わってきたように思います。石と言っても、その種類は河原の石からダイヤモンドまで幅広く、人間が付加した価値も様々です。 そして私はその世界につい…
体験するアート〜西国アート体験の旅 Vol.1
久しぶりの関西は念願のアートと出会う旅になりました。 まずは日本でもここ関西にしかない大規模なフンデルトヴァッサーの建築を見に行きました。 フンデルトヴァッサーは、オーストリアのアーティストであり、建築家としても有名な存…
触れたい絵~マーク・ロスコ「瞑想する絵画」
ロスコに会いに行きました。 マーク・ロスコは 1970 年に没した、アメリカ現代美術を代表するアーティストです。今年、ロスコの晩年の代表作である「シーグラム壁画」シリーズ が千葉の川村記念美術館に展示されることを知り、そ…