参加者の声【テクニカル集中講座 in 北軽 2022】私の色で

ワークショップへの参加は今回が3回目、初めての軽井沢、初めての宿泊滞在。
広いアトリエに入ると、明るく柔らかな光につつまれ、窓の向こうの緑が目を潤してくれた。
エリさん、スタッフ、参加者みんなとても優しく心地よい。
けれど、しばらくして生半可な気持ちでは取り組めないな、と自然と気持ちが引き締まる。

本質を見ようとせずごまかしてきた自分。
物事を自分の思い通りにさせようとしてきた自分。
そんなままでいたくないからここに来たんだよね、と心の中でつぶやく。

正直なところ、自分の中の何と向き合うのか明確にせず参加した。
向き合うべきものがあることに薄々気づいていたのに、それを無意識に避けていた。
向き合わなくても問題ないと言い聞かせていたのかもしれない。
そんな私をおそらくエリさんは見透かしていて、私が向き合うべき対象へと導いてくれた。

周囲の人や環境のせいにして生きていくことは一見楽なように見える。
自分の問題ではないと切り離し、自分の嫌な部分を直視せずに済むから。
けれど、本質に触れず心を感じようとしなければ、表面だけで考えて、心配して、苦しんで、そのうち我慢できないから、なんとなく解決したことにして・・・を延々と繰り返す。扉がある檻の中でもがき続けるだけだ。

閉じ込めていては、過去の私も今の私も抱きしめることはできない。
私は、その扉を開いて私と会話するためにここに来た。
ここにきて、はっきりそのことに気がついた。

私にはこんな声があった!
私はこんなに動きたいと叫んでいた!
私の感覚は今ここにある!

一つ一つのワークを噛みしめるように体験した。
4日目、見届けてくれるみんなの前で、子どもの頃の自分を抱きしめてあげようとドラマに取り組んだ。
楽しくも苦しくもなかった。
ただただ、私自身から溢れ出るものを感じていた。
溢れ出る声を、身体の動きを、つたう涙を全身の感覚を使って味わった。

最終日、蜘蛛の巣が取り払われたように、頭の中に明るい空白ができた。
ここには自分の好きなものをつめこんでいいよね、そんな気持ちが湧いた。

2日目のボイスワークで一番目の描き手となって、まっさらな大きな紙にコンパスのように身体をピンと張って最初の線を引いた、あの感覚を思い出す。
地面を踏みしめ、自分の軸をしっかり持って、流れに飲まれず逆らわず、伸び伸びと、しなやかに、私は私の色を塗っていこう。
その後、体調をひどく崩したけれど恐れはなかった。自分の声を聞くことができた今の私は、自分の身体の声も聞けるはず。回復したらどこへでも飛び出せる気がした。

ただいま、と言える場所がもう一つできた。
どんな自分でも受け止めてくれる安心感があり、自分を粗末にしていると喝を入れてくれる家族のような存在。
深い愛と優しい笑顔、温かく美味しい食事で迎えてくれる私の魂のホームだ。
アトリエワイエスに出会えて、私はもう一度私を歩き出している。

今、息子に、両親に、兄弟に、関わる人たちすべてに感謝をしている。
そして自分自身にも。
私をここに導いてくれてありがとう。

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