初めての参加でしたが、予想していたよりもとてもとても奥深く、素晴らしい時間でした。
心理学を少しだけ勉強した私にとっては、座学もとても興味深いものでしたが、何よりも「アートセラピーのワークを通して人と深く繋がるということができるんだ」と感じることができたのが、一番に感動したことでした。
それは、言葉の通じない異国で、全力で自分の気持ちを伝える時のような、全力で相手の存在そのものを受け取ろうとする時のような、そんな人間本来のコミュニケーションに立ちかえったような感動でした。
うまく言葉にしなくても良い安心感と、心を真剣に受け止めようとする緊張感の中で、参加者それぞれが深い心の旅に出て、夜にはみんな子供のように食卓に帰ってくる。個々の体験はとてもプライベートなものなのに、それを「ただともに居る」だけでお互いがとても多くの経験をシェアできてしまう、そんな不思議な時間と空間でした。私にはその全てが、かつてとても大事なことを教えてくれた旅の記憶と重なって、「生きる」という旅の分岐点に再び立たされているような気持ちになりました。
「セラピストとして人の心に接するのには、まずは自分自身の心と本当に接するということをしなければならない」というエリさんの言葉を胸に、今回は「セラピスト講座を受講している」という名目がなければとても面倒で向き合うことを諦めていたであろう自分自身のプライベートな問題に、しっかりと切り込んでいくことができました。
その経験と、今回のワークショップ全体を通して、確信のように浮かんできたのは、
「目の前の相手と真剣にかかわろうとすることは、私自信と真剣にかかわろうとするのと同義だ」ということでした。
相手の作品を丁寧に扱うこと、それを受容しようとすること、自分の気持ちを丁寧に扱ってもらうこと、ゆだねようとすること。これを様々なワークを通してそれぞれの角度で体験することで、自分と他人との間に交差する部分、あるいは境界のない部分のようなものが現れます。
オンラインでの座学に始まり、最後はアトリエに連泊してワーク三昧の数日間。それぞれのフェーズで深まりクライアントとセラピスト役を行ったり来たりしながら、最初は身を置くのが少し怖いような、でも絶対的に安心できるような、「わたしたち」の領域があったような気がするのです。
自然に囲まれた、エリさんとアトリエワイエスのみなさんが作ってくれた懐の深い空間
だったからこそ入り込めたパーソナルな領域で、一人でもメンバーが違っていたらまたと同じ経験ができなかったであろう深い深い経験ができました。
「あなたは私の一部、私はあなたの一部」だなんて、言葉ではこれ以上うまく説明ができないような感覚を、大事に感じて共有できた貴重な体験でした。
自分を体験するということを、もっと深めたくなりました!
ありがとうございました。
(30代女性)