今まで触れられなかった、触れ方がわからなかった原家族と、ようやく、深く、向き合う体験ができた。
いま思い出しても、涙が出る。
辛かった。本当は、辛かった。苦しくて、苦しくて、さみしくて、こわくて、逃げ出したいのに、見たくないのに、逃げたらだめだと自分を縛って、全部背負って、自分だけじゃ無理なのに、「大丈夫、大丈夫」って言うのを口癖にして、「おれがなんとかする」って、笑顔をつくって、助けてって言わずにずっと笑って、気づかないうちにいらない自分を切り捨てて、押し殺して、見ないふりをして、忘れちゃってた。
感情無くして、幸せなつもりだった。
でも、そんなことなかった。
本当は、みんなずっといた。
辛いのも、怒るのも、逃げたいのも、泣き喚いているのも、あれもこれも、ずっと見ない、聞かない、ふりをしていた。
聞かないようにして、耳を塞いで、「おれは幸せ!!おれは幸せ!!」って、ほかの声が聞こえないようにずっと叫んでいただけだった。自分なのに、ほかの声も全部自分なのに、いないものとして信じて、生きていた。
18歳の時に切り離した「感情」とも、出会いなおすことができた。切り離してもずっといてくれた存在。白い布まとって、死んだように眠ってたけど、ちゃんとずっといてくれた。出会って、見つめて、ごめんねって伝えて、もう見捨てないと約束して、心から伝えて、そしたらもう一度、つながることができた。
今でもえりこさんの目が、みんなの目が、心の中にずっとある。声の持ち主のように、おれを見続けてくれている感じがする。
あの感動を、この心の温かさを、言葉にするのは本当に難しい。
ついこの間まで「怒りなんて無い」と本当に思っていたのが嘘のように、蓋が開いてからは怒りが、憤りが、悲しみが、どんどん溢れてきた。
みんながいてくれたから。みんなが本気で演じてくれたから。その瞬間、本当に一生懸命に、おれの人生に寄り添ってくれたから。だからできた。
あんなに全てを見せても、ただ評価することなく受けとって、一緒にいてくれたみんな。普段の生活では絶対に体験できない、本当の安心感。心を解放させて、すべてを大っぴらにして、みんなで見てみて、みんなで泣いて、最後にはその広げた心の上でみんなで踊るような体験。こわかったけど、いざ広げたら、ものすごく軽くなって、もう最高としか言えない。
自分で考えたストーリーじゃ、どうやっても自分の意識の中をぐるぐるするだけ。多少本当のストーリーとは違えど、みんなに自由に動いてもらった方が、自分の無意識に抑圧してきたものと出会うことはできる気がした。
みんなの感覚が、感じたものを表現する力が、すごすぎた。
夜個別で話してくれるエリさんが珍しく眠そうで、本気でおれらのために魂を使ってくれているのを感じて、さらに次の朝にやっぱり、と言って本気で話をしてくれた時、これを愛と呼ばずに何と呼ぶのかと思った。あの夜と朝のエリさんの姿が、エッヂを越える勇気になった気がする。
感謝してもしきれない、最高の時間でした。
本当に、みんなのおかげです。