北軽井沢のアトリエの、大自然に溶け込んだ環境の中でのインテンシブな5日間の合宿生活は、深く自分と向き合う時間であり、また、いろんな想いを胸に、表現アートセラピーに辿り着いて、いろんな場所から集まってきた人たちの、それぞれの人生の点と点が、魂レベルで交わった時間でもありました。
まさに、自分と繋がり、人と繋がる時間だったと思います。そして、スタッフの愛情のいっぱいこもった、手作りの、美しくて美味しい食事が、これまた最高の癒しで、しっかりと自分の体の細胞のすみずみまで行き渡り、ワークで使い果たしたエネルギーをみごとに復活させてくれました。何もかもが癒しの時間でした。
毎日、朝から夜遅くまで、非日常の特別な時間の流れの中で、ひたすら描いたり、書いたり、作ったり、自分と向き合って出てきた想いや作品をシェアしたり、寝食を共にした、エリさんをはじめ、アシスタントのみなさんや、他の参加者の皆さんとの心の交流を通して学んだことは、「いま、ここ」を感じることの大切さと、自己開示をしても受け止めてもらえて、暖かく見守って貰える場所があるという安心感でした。本当にたくさんの愛をもらった5日間でした。
感情を表現するムーブメントワークや、ペアを組んだりグループを組んで取り組んだワークを通して、「自分の感情を素直に表現してもいいんだ」という許可を、改めて自分に出すことができたことは、大きな収穫でした。
5日間を通して、特に強く印象に残ったのは、まる2日間かけてグループで取り組んだドラマセラピーのワークでした。
1日目には、アトリエの周りを散策しながら葉っぱや草花を集めて、参加者全員がそれぞれの人生のタイムラインを長い紙に描き、コラージュして完成し、3人の参加者とファシリテーターでつくったチームに分かれて、その中から翌日に各自全員が自分史の中からピックアップしたテーマで20分ずつのドラマを披露するという課題にとりくみ、夜遅くまでそれぞれの人生物語りをテーマにした出し物のプロットを考え、壮大なインナーチャイルドワークを、たったの2日で形にして発表した体験でした。
それぞれの人生が凝縮されたドラマがものすごくリアルで胸に迫るものがあり、どの人の物語も、見ていて涙腺崩壊しっぱなしでした。
自分自身の物語も、ドラマ仕立ての臨場感あふれるシーンの中で、エリさんや皆さんの協力で、子供の頃の辛かった記憶を、リアルに再体験し、その当時言えていなかったセリフを心の底から自然に、大声で泣きながら叫んでいる自分がいました。まさか自分があんなにも激しい感情を人前で出し切って表現できるとは思ってもいなかったので、自分でもびっくりでした。
暖かく見守ってくれている仲間たちの前で、恥も外聞も忘れて表現できたという感動体験、成功体験を積ませてもらえたことは、きっと一生忘れられない、自分にとって大切な瞬間でした。
ずーっと長い間、心の奥底でくすぶって、事あるごとに自分を苦しめてきた未完了の思いを完了させ、インナーチャイルドの気持ちをしっかりと受け止めてもらうことで、ネガティブな記憶を書き換え、自分自身が受け入れられているという実感を得られました。
普段からいかに感情を抑えて、平静を装って生きてきたのかに改めて気づき、また、ドラマという臨場感あふれるセッティングが、インナーチャイルドの感情を思い切り解放するのに大きな助けになりました。当日の朝は、心の抵抗が体に出たのか、ぎっくり腰寸前ぐらいの感じで腰が痛くて歩くのも辛い状態になっていましたが、このワークが終了したころには、このワークをやり遂げた充実感とともに、大きな心の癒しが起こり、腰の痛みが嘘のように消えていました!
そして、5日間の間に描いた作品たちの束を、最終日にすべて解体し、自分が好きな部分を切り取って、大きな円形の紙の上にコラージュして、新しい一つの作品にして、使わなかった部分はバッサバッサと思い切りよくゴミ箱に捨て、古いものを一旦壊して、ひとつの新しい作品を作って行くというプロセスを通し、新しく生まれ変わった作品から、ネガティブな部分も、ポジティブな部分も、すべて自分の一部であるということを受け入れながら、新しい自分を見つけたような感覚を体感することができました。