ギャラリー伝心柱を主宰する田下啓子さんの企画展が東高円寺のPara GLOBEギャラリーにて開催されています。
そこで、わたなべいくこさん(右写真)の個展が開かれるというので、行ってきました。
彼女は、数年前アートセラピーを体験しに来て以来、ずっとその変化を見守って来た人です。
彼女と出会ったのは、絵を描くことが好きだった彼女が、体調を崩したことから暫くの間、絵を描くことからも遠ざかっていた頃でした。
口数の少ない彼女が心の中に秘めている想いは強いエネルギーとなって混沌としていたように見えました。
その想いを絵にして見せてほしい、と彼女に伝えると応えるように沢山のドローイングを見せてくれるようになりました。
私は彼女と会話をしたという思い出よりも、彼女の絵とコミュニケーションをしていたような記憶が強く残っています。
彼女は絵に想いを吐き出しているうち、だんだんと自分自身の力の源を見つけ出し、「やはり表現することが何よりも自分を助けてくれる」ということに気づきだしてからは、ほとばしるような制作活動が始まりました。
私は、彼女のアートセラピーの絵を見ただけでも、そのエネルギーに驚き、これが作品となったらどんなだろう?とワクワクしていました。
沢山のプロセスを経て、今回改めて彼女の作品を目の当たりにして、本当に感動しました。
表現アートの叫びのようなエネルギーが、しっかりとしたクオリティーをもった作品として昇華していたのです。
これまでの経過を見つめて来た月日を感じ、心が一杯になりました。
私がこれまで、表現アートの力を確認できたのも、彼女のような存在があったからなのです。
今回、彼女の個展や他の若き作家をプロデュースされたギャラリー伝心柱の田下さんもそんな彼女達の持つエネルギーや才能を見い出し、おおらかな気持ちで応援し
てくださっています。
今回の個展で初めてお目にかかり、その活動を知り共感するものが沢山ありました。
田下さんは、今まで学校教育の現場で活躍された経験を経て、今はアーティストの支援活動をされているのですが、その活動姿勢はとても柔軟で暖かい畑の土を思わせるような方なのです。
肥沃な土が様々な生命を培ってくれるように、田下さんも沢山の才能の種を見つけてきては、その肥沃な大地を使って根付かせることに命を費やしているような生き方をされています。
何度も「彼女たちをよろしく」と、頭を下げながら、本当にその成長を楽しみに願っていました。
こんな素敵な人に出会えたのも、いくこさんというアーティストと出会えたから。
これからも表現することで元気になる人達と出会い、コミュニケーションをしていけたら幸せなことです。
*ギャラリー伝心柱の企画展は東高円寺のPara GLOBEギャラリーで11月2日まで行われています。
わたなべい
くこさんの個展は今週末10月26日(日)まで。
10月26日(日)には田下さんがファシリテートするアートセラピー・ドローイングのワークショップも開催される予定です。
<お問い合わせ>
Para GLOBE東高円寺
杉並区和田3-54-5
03-3315-6950
<アクセス>
地下鉄 丸ノ内線「東高円寺」下車 徒歩5分