参加者の声【クリエーティブアートワーク in サンデールーム 2022】ツインの龍と共に生きる

新年早々に、自分のために真剣に描く、というとっても贅沢な時間を過ごしたように思います。表現アートのワークショップで「出す」ために描くのとは少し違う、作品を描くための緊張感。
自分の龍が出てくるのを、祈りながら待つような集中と、「失敗するのが怖いな」と、描くことへの戸惑いを行ったり来たり。龍を描くのに、こんなにも大胆になれない私を発見してしまうってどういうこと?と、滑稽に思えてきて、「描けない」と思っているし、「描けない自分を知るのが怖い」と思っているんだなとその状態を認めたら、ふと力が抜けました。

特別なきっかけはないけれど、龍は子供の時から好きなモチーフだった。自由で荒々しいけど、優しい。絵本やアニメでドラゴンが出てくると、「私にもあんな相棒がいれば良いのに」と思っていたことを思い出した。年の初めに自分で描く龍は、そんな相棒のイメージにしたいな…と思ったら、迷いなく上へ上へと昇っていく龍がイメージできた。雲の中を雷のように、一心に昇っていく龍。でもそれでいて、一人で突っ走る感じではなくて…絡まりあって昇っていく二匹の龍だった。それをイメージできた時、今年の相棒が見つかったようでとても嬉しくなった。

いつものファシリテーターのエリさんではなく、絵描きのモードのエリさんの側で作るのも、刺激になって楽しかった。「もっとこう、調子をつけて」と背景の青にエリさんがササッと手を入れてくれた時、「こういうのもいいな」と思った。一人で悩みながら手を動かす
時間も、人がサッと手を加えてくれるのを素直に受け取れる瞬間も、どちらも良いものだ。手を入れてもらったら、雲の中を昇る龍が、星空を泳ぐ龍みたいになった。

舞と太鼓の音共に、龍に魂が入る。皮膚にも振動が伝わる太鼓の音を全身で味わいながら、本当にこの場に龍たちが降りてきているような気がした。
ワークショップの最後に並べたみんなの龍は、それぞれいろんな風に泳いでいて、それぞれとっても個性的で素敵だった。

二日間を通して、自分のさまざまな状態に気づき、経験しながら、たくさんの画材と素材を使わせてもらいながら描く時間は、新年早々にとっても楽しく、とっても縁起の良い経験になったと思っています。この日に出会った龍のように、真っ過ぐに迷いなく、でも一人ではなく誰かと共に、表現することに邁進したいなと思いました。背筋が伸びるような気持ちで、相棒としてお家に飾って毎日ツインの龍を愛でています。

ワークショップレポート一覧