1日目の自己紹介から私のワークは始まっていました。
はじめましての人たちを前に、私はどういう自分がこの場でふさわしいかを無意識に考えていました。
いい子の仮面(忠犬ハチ公の仮面)を脱ぐ、
これが、今回の私のテーマでした。
この日、南海トラフ地震注意報が発令されました対象地域から来た私は、家族のことが気になり、ワークに集中できず、そんな自分を責め、不安に駆られていました。
なぜ、責めるのか?
今思うと、ワークショップ参加者として”いい子”じゃなかったから、だと思います。
ワークが進むにつれて、
思考を挟まずに、外に出す(表現する)行為に、自分のたましいに触れる感覚、出会う喜びに興奮と、生きる手応えのようなものを感じていきました。
「葛藤」をテーマにした作品で、
出てきたモチーフは最近の出来事ある人との人間関係でした。
人生のタイムラインを描き、
自分がネガティブな出来事として出したことを眺めると、”自分の意見を言えなかった”という共通点が浮きあがりました。
グループでの話し合いのなかで、
「顔無しのようだ」との言葉に、
反応し、困惑と悔しさが湧く自分にも気がつきます。
さらに心の旅を続けると、出てきたのは、
幼少期、”いい子の仮面”を被った時のことでした。
自分の居場所を確保するために、
愛する家族のために、つけたいのちがけの仮面。
そして、それを被り続けることで、
“できない、助けて”と言うことができず、
いつしか”失敗できない”に変わり、
挑戦を恐れ、自信のなさからくる空虚感、
ゆがんだプライドが生まれたことに気がついたのでした。
4日目のワークで、
私はこのいい子の仮面を「忠犬ハチ公」と名づけ、犬のかぶりものと顔なしのお面を付け、脱ぎ捨てるドラマを演じ、やりきる体験ができました。
最後は、人前で歌い、高音を思いっきり出し、その瞬間、突き抜けるような気持ちよさがありました。
“自分の人生だもの、いいじゃない”
私が今回の旅立ち見つけた言葉です。
失敗してもいい、
チャレンジしたい気持ちを大切にしたいんだ、
と心から思うことができました。
一皮向けたとはこのことなのか、
日常生活に戻ってからも、
不思議と身体が軽く感じる日々が続いています。
ドラマワークで演じ切ったように、
ある人に意思をを伝えることもできました。
何故、今まで、こんなに我慢することを、自分で選んでいたのかが、不思議でたまりません。
5日間、表現を通して
自分のいのちにふれ続けたことで、
生きる手応えのようなものが増しました。
これからチャレンジしたいことへの想いもクリアに感じられます。
日常から非日常に行き、心の旅・冒険をし、日常に戻る。
非日常では、思いっきり表現して、美味しいものを吸収しました。
日常に戻るサポートも、丁寧に時間をかけてもらえたことがとても有り難く思います。
本当に素晴らしい経験となりました。
企画演出運営してくださった皆様、
共に過ごした仲間たちに、心から感謝します。
ありがとうございました。