参加者の声【ワンダーチャイルド・ワークショップ 2024 in 北軽井沢-不思議な国のアリス】「20歳のわたし」を迎えに行った旅

もう、振り返っても仕方がない。
だってそれはもう、過去の私だから。
そうやって、19年間。
「20歳のわたし」を見ないように、蓋をしていた。

ワークショップが始まる前に、ある友人から投げかけられた言葉があった。

「20歳のあなたを、今、愛せる?」

私は、言葉に詰まってしまった。

「20歳のわたし」はというと、一日中続く眩暈で、ベットから起き上がれない。不眠による昼夜逆転生活、鬱病、自傷行為、自殺未遂、引きこもり。

起き上がれないベットから、天井を見上げては、
「早く消えてなくなりたい。真っ白になりたい。」
そう願って、日々を過ごしていた20歳だった。

友人の問いに、心の中のチャイルド達が急に声を上げ始めた。
それもちょっと、感情的な怒ったチャイルド。

「20歳の私なんか、愛せる訳ないじゃん!!」
「もう二度とあんな思いしたくないよ!!」
「悔しい!情けない!不甲斐ない!」

そんな気持ちと共に、じわじわ涙が溢れてきた。
湧き上がってきた心の声に。
今までのように、もう、蓋をすることはできなかった。
「ばつ」を付けている「20歳のわたし」に「まる」をつけたい。
でも、どうやったら「まる」をつけられるのか…分からない。

そんな、ちょっと弱気な気持ちから、ワンダーチャイルドのワークショップがスタートした。

ワークショップ初日はみんなで花火大会に行った。
びっくりするほど、目の前で打ち上げられる花火に。
びっくりするほど、わぁわぁ大きな声をあげながら、みんなと見る花火。
あぁ、この瞬間がもう、ワンダーなんだなぁって思ったと同時に、
熱いものが込み上げてきた。

「私は、自分の花火を上げに、このワークショップに来たんじゃんか。」
「絶対に絶対に、ワンダーチャイルドになって帰る!!」

花火を見ながら、心にそう強く思った初日の夜だった。

私は、ある観念にずっと縛られていた。
18年前、大学の先生に「あなたは、セラピスト失格よ。」
と言われた言葉が、ずっとずっと心に刺さっていた。

私はその言葉を信じこんでいた。
ワークショップを開こうとする度に、その言葉が頭の中でループして苦しんでいた。
そんな言葉を学生(私)に言い放った先生のことも、ずっと責めていた。
当時は本当にショックだったし、とても悲しかった。

でも今回、ボディワークをするうちに、段々と悲しみから怒りが込み上げてきた。

「なんでたった数回の出来事で、そんなことを言われなきゃいけないの?」

「セラピスト失格かどうかは「私」が決める。」

ふっと、自然とそんな言葉が湧き上がってきた。
その時にようやく気付いた。

「セラピスト失格」という言葉を信じ、採用したのは自分自身で、
音楽療法ができなかったことを、先生のせいにしていたことに。
私が、その言葉を「選択」して、できない言い訳にしていたのだ。
そうやって私は、「被害者」をずっと演じてきた。
でも、もうそろそろ「被害者」であることを終わりにしたい。

そうしてワークも後半になり、「20歳のわたし」を迎えに行った、ドラマワーク。
ワイエスのワークで、こんなにも恐怖を感じたのは初めてだ。
「20歳のわたし」に会うこと、19年前の時間に針を戻すことが、ただただ怖かった。

ワークが始まり「私なんか必要ないでしょ」「見捨てたでしょ」「20歳のわたし」を演じてくれていた子の言葉に、返す言葉が無かった。

そう。私は「20歳のわたし」をずっと見ないようにしていたし、隠し、嫌っていたから。

ドラマワークのアイディア出しをした時に、エリさんに言われた言葉がある。

「今のあなたはもう違うよね。あなたがこの出来事を認めて、どう関わり直すのか。」

一晩考えた。言葉は見つからなかったけど。

気付いたら「20歳のわたし」に着てもらいたい服を、作っていた。
私の心の箱の隅に、19年間、ギュウギュウにおしこんでいた20歳の私を、どうしても、今の私の世界に連れて帰りたかった。

あなたが絶望していた目の前の世界は、今、こんなにも光で溢れていることを。
20歳のわたしに見て欲しかった。ただただ、それだけだった。
勇気を出して、39歳の私は「20歳のわたし」に声をかけた。

「あなたが居ないと、今の私が居なかったんだよ!」

「あなたが居てくれたから。私は今、過去の私のように。
つまづいている人、目の前に靄がかかっている人にの心に。
小さな灯りを灯したい。そう想っているんだよ。」

私は優しく、なだめるように。
「20歳のわたし」には話せなかったけど、
ただただ必死に切実に、20歳の私に想いを届けた。

そしてハッとした。
なんで、デザインの仕事をしている私が、表現アートセラピーを学んでいるのか。

純粋に楽しい!面白い!ワクワクする!
それだけではない、大切な「答え」が見つかった瞬間でもあった。

最後は、Lady Gagaの「Born This Way」をかけながら、今この瞬間を感じ、爆発した。
それはもう、打ち上げ花火のように。
踊り狂った。

みんなと、20歳の私と、39歳の私が一つになった瞬間だった。

ワークショップが終わってから日常に戻った今。
私の中でハッキリしたことがある。
本腰を入れて、表現アートセラピーを学んでいく覚悟が決まったこと。
心がほぐれるような時間、薬箱のような場を作ること。

私は今、10月にやるワークショップに向けて少しづつ準備を進めている。その中で、「本当に私なんかにできるのかな。」「楽しんでもらえるのかな。」そんな不安なチャイルドの声もまだちゃんと私の中に居る。

でも、その声を悪者にはしない。
不安な声も感じつつ、受け止めつつ。
私は前に進んでいく。

今できることを、小さな階段を少しづつ。
私は登っていく。

P.S
ワイエスに参加して、いつも思っていること。
ワークショップに参加したみんなが居なければ、今回も一人では乗り越えられなかったです。
心からのありがとう。
そして、みんなのドラマに共鳴し、心を揺さぶられ。もう自然と応援している。
みんな、最高っっ!!
リエさん、マイキーさん、エリコさん。
たくさんのサポートとワクワクする魔法のようなギフトをありがとうございました。
I LOVE you ALL

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