今年のゴールデンウィークは春のように肌寒く、雨ばかりのお天気の最中、インナーチャイルドワークショップが行われました。
まる4日間行われるこの集中ワークに、主催する私も常に緊張を感じる時間です。
このワークはいつも以上に配慮が必要になることから、今年は長年の友人である、セラピストの山城賀子さんにお手伝いをいただくことが出来ました。
看護士でもある彼女と万全の態勢でワークを行うことが出来たことは本当に幸運でした。
インナーチャイルドは子ども時代に傷ついた心そのものです。インナーチャイルドワークはその傷ついた心(内なる子ども)と対話するという、非常に奥深いプロセスをたどります。この深さや自分自身のエッジを感じたいという様々な人達が集まってくれました。
4日間あるこのプログラムは、四つのプロセスを丁寧に体験するように構成されています。一つめのステップはチャイルドとの出会い。「そんな存在が自分の中にいるのだろうか?」と半信半疑の人も、自己の心の奥に続く扉を開いて行きました。
1日の終わりは、ヒーリングで締めくくります。
皆、心の扉を開ける作業にくたくたになって、そして、お互いがその労をねぎらいました。ヴォイスワークや、エネルギーワークは気持ちよく、そんな疲れを取り去ってくれるようです。
2日目、この日はひとつの峠のような日です。感情と繋がることに葛藤するエッジにさしかかります。みんなひたすら、絵を描き、創ることに専念しながら、次第に心を溶かしていきました。この辺りで、体調を崩す人もいますが、これは不思議ですが毎回このワークでは身体に反応を起こす人が多いことです。またそれも、最終日には落ち着いてきます。
3日目は更に自分の無意識を別の視点で体験する最後のエッジに向かいます。
このワークはロールプレイを使ったムーブメントで、改めて自分と向き合う体験をします。4日間の中で、チャイルドの存在が引き起こすネガティブな面や、ポジティブな面をふくめ、そのメカニズムについても学びます。インナーチャイルドを、ただの幻想の存在と見なすことなく、自分の内なる一部だと実感できるまで、身体や頭を使って理解していきました。
私自身がこの内なる子どもと出会ったのは、それは昔のことでしたが、今もその子といっしょに過ごしています。
内なる子どもは決して死なないし、成長して大人になったりはしません。
自分の中で永遠にエネルギーを紡ぎ出す存在となって、今も息づいています。
その実感から、このワークが生まれ、それを共有してくださる参加者の人達の体験を目の当たりにするこの時間がどれくらい貴重なものかわかりません。
最終日に出会うみなさんの笑顔が忘れられません。
皆それぞれ、自分の子どもとしっかりと手を繋いでいる姿が目に焼き付いています。
インナーチャイルドを解放し、統合する最後のプロセスワークはグループの力の統合でした。
それぞれのオルタナティブストーリー(解放のシナリオ)を演じるとき、内なる子供たちが一斉に顔をのぞかせて、元気なワンダーチャイルドになる瞬間でした。
このとき、彼らはユングのこの言葉を思い出すかもしれません。
これが講座の中でご紹介したユングの言葉です。
「チャイルド」はすべて、見捨てられたもの、明らかにされたものであると同時に、
神のように力を持つものでもある。
つまり、わずかに曖昧な始まりであり、勝利に満ちた終わりでもあるのだ。
人間の内なる「永遠のチャイルド」は、描き出すことが不可能な経験であり、
不調和であり、ハンディキャップであり、聖なる特権である。
そして、パーソナリティの根源的な価値や、価値のなさを決定する計り知れない要素でもある。 C.G.ユング
※ワークショップの内容や使用している写真は、参加者の同意の下、ご紹介しております。HP閲覧後、ご意見ご要望がありましたら、ご連絡をお待ちしております。<アトリエワイエス>