コロナとは、太陽の周辺に見える拡散光のことだが、ラテン語で「王冠」を意味する。コロナウィルスの表面に沢山の突起があり、その形が王冠(コロナ)に見えることからそう呼ばれるようになったそうだ。
それにしても、この騒動にいつ安心の光が見えてくるだろう?
何か良い情報は無いかとネットを覗くが、なかなか希望を叶えてくれるものは見当たらない。アメリカでもいよいよ新型ウィルスによる感染者が増大しているようだ。
3月11日にWHO(世界保健機関)は、ようやく新型コロナウィルスが「パンデミック」となったことを報じた。世界は何処も此処も缶詰状態だ。
これによって、株式市場は1987年以来の下落率を記録したらしい。やもすれば、このまま世界は恐慌へと突き進んでしまいそうな勢いである。
いかに科学が進歩し、グローバル化、デジタル化が進もうと、景気は感情によりアッという間に変動する。
一番やっかいなのは、病気でも、株価でもない、人間の気分(エネルギー)なのだ。
前回ご紹介した、米ジョンス・ホプキンスの科学者が懸念したのが、新型コロナウィルスのような「致死率が低いウィルス」の出現だった。
常識的に考えれば、致死率が高いほうが、社会的なパニックになりそうだが、実は、致死率が低いほうが、社会に与える影響が強いという。
数ヶ月前、中国で正体不明の風邪が流行りだした頃、こんな事態を予想できた人は少なかったに違いない。
しかし、たった3ヶ月で今や事態は深刻化してしまった…。ありふれた風邪の流行が、世界を終焉へと向かわせる可能性が無いとは云えない。まるで、パニック映画を見させられているような気分になるが、これは現実なのだ。
ところでこのウィルスが人工的に作られたもの(いわゆる、細菌兵器)だという噂を聞いた人はいないだろうか?
インドの学者が、新型コロナはHIVに似た構造だと論文で発表をした。のちに論文は撤回されることになったが、この論文が新型コロナが人為的なものだとする噂の引き金とも言われている。このような憶測を呼ぶ断片的な情報がインターネットを通じて拡散されているのだ。(よく聞く「陰謀論」のような話だけど…)
もしも、仮にそれが本当だとしたら、世界の終末を望む輩が存在することになるのだが、その目的とは何だろう?
怖れを煽り人類がゆっくりと混乱していくのが彼等の願いだとしたら、作戦は成功していると云える。
闇の勢力に操られる人類は、この問題を深刻化すること自体が命取りになるというシナリオだって用意されているのかもしれない…。
まるでSF小説のようなノリだが、数年前、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」という映画を見て、日頃私達がどれほど無防備で脳天気に暮らしていたのかということを思い知らされた。
では、私がその後、何をしたかというと、映画は映画と片付けて(いや~、恐いねぇ~と反応するぐらい)無防備のままだった…。だって、私なんかの個人情報なんて役に立たないでしょう?…と思うでしょ。
しかし、国家や組織に全権をあたえてしまっている無防備な子供の意識でいることは実はとても危険なことなのだ。
これは、無防備(安心)がいけないと警告をし、怖れを煽っているのではない。むしろ、怖れずに静観する方がいい。
では、事態はそんなに深刻なのだろうか?
こんな事態(コロナ騒動)は確かにおかしな現象なのだが、そうだと気づくためには、まずは冷静になる必要がありそうだ。
出来事を深刻に捉えないということは、何も気にしないでいいということでもないし、テレビを消して現実世界から精神世界へ逃避するのでもない。
誤解を招きたくないので付け加えると、少々具合が悪くても出歩いたって大丈夫!とか、満員電車のつり革に捕まった手を洗う必要は無いとは云ってない。(流行性の感冒にかかりたくないのなら…。)
もしも、あなたが不安を抱えているのだとしたら、怖れからパニックになっているのだとしたら、まず正気になって、そんな自分に気づくことが大切なのだ。
デマや噂を鵜呑みにして行動してしまったり、ろくに確認をしない情報を拡散しないようにすることからはじめよう。かならず、自分の目で見たり、聞いたりしたことを、自分の頭で考えることが望ましい。
鵜呑みと云えば、中東(イラン)で予防のために消毒用のアルコールを飲んだ人が大勢亡くなったという信じられないような事故があったが、他にも驚くようなニュースを見てぶっ飛んでしまった。。
WHOが、「ニンニクを食べると新型ウィルスの予防になる」と報じたことで、(これ、マジ?って、思わないの? あんなにニンニク食べる中国やイタリアで感染者が出てるのに!)それを信じ込んだ香港の女性が、1・5キロの生ニンニクを食べて喉を腫れ上がらせ、病院で手当を受けたという。
どんだけ風邪引くのが恐いんだよ…と、突っ込みたくなるが、生ニンニクを1・5キロも食べられる度胸があるあなたなら、風邪引いても死なないはずだと断言したい!
だってねぇ…生のニンニクって食べたことあります?
その昔、生のニンニクは「食べる抗生物質」だというので、試してみたら、スプーン一杯で、悶え苦しむぐらい辛くて、吐きけに苦しんだ経験が…。(^_^;)
ホントに…、正気になりましょうよ、皆さん。
それこそ、陰謀を企てている人がいるなら、まんまと罠にはまったようなものだから。
冷静に考えたらわかりそうなものなのに、恐怖に捕らわれていると私たち人間は、摩訶不思議なことをやらかしてしまう生きもののようである。
人がそんな常軌を逸っする行動を取ってしまうのは、人間の脳の仕組みに起因していることに注目してみよう。
この数ヶ月情報に惑わされ、おまけに行動まで制限されて、日本中(いえ、今となっては世界中)の人達がストレスを感じていることだろう。
しかも、自粛モードは延長され、出口が見えない閉塞感によけいストレスに拍車がかかっているに違いない。
ストレスを感じると人間の脳は、本能的に防御システムを働かせ、アドレナリンというホルモンを出して戦闘態勢にはいる。
つまり、「ウィルスの脅威」→ミッション→自己防衛のためにマスクや消毒液をゲット!
「トイレット・ペーパーが品薄になる」→デマだとわかって居ても、品薄で買えないのは嫌だから爆買い!
…となる。
オイルショックの時に、トイレットペーパーを買い込んだうちの母親は太平洋戦争を経験しているので、物資が無くなる怖さを嫌というほど知っている。だから、有事の事態に即刻反応してしまうのだろう…。
危機から逃れ、安心するために行動を起こしているのはわかるが、「怖れ」から行動するストレス反応は、<ネガティブ反応>だということを思い出してほしい。
現実創造の仕組み→ネガティブ反応→ネガティブな出来事へと続く。
そのネガティブな反応(マスクの爆買い)によって、医療機関にマスクが不足し院内感染が起こるという悪循環=ネガティブな結果をひき起こしてしまう確率は高い。
たとえマスクが手に入ったとしても、マスクや消毒液で完全にウィルスを撃退することなんて不可能だということぐらい、ほとんどの人は知っているのだから、病気へのストレスなど治まらないだろう。
つまり、マスク買いはストレス発散のための行為にすぎない。
人は本能的にストレスを発散しようとする。何かの理由からストレスが発散されないままでいると、自己免疫システムが弱まり、やがて感染→発症のリスクが高まってしまうからだ。
しかし、ウイルスがこれほど蔓延している以上、無菌室にでも閉じ籠もって半年ぐらい誰にも会わないですごさない限り、感染しないという保証はないのだ…。
ニンニク飲んだり、マスクを奪い合ったり、皆怖れから解放されて安心したいのはわかるが、何かに抵抗したり、逃げたり、守ったりしているうちは、アドレナリン放出しっぱなしで、免疫力は落ちていく一方なのだ。おまけに、そんなエネルギーの低い状態でいると、ネガティブな出来事(多くは怖れている出来事)を引き寄せてしまうことになる。
やれやれ…そんなネガティブな話はもう沢山だろう。
今や、全世界の人々がストレスを抱えている。
ここで、少し笑って自己免疫力を高めよう。
先のWHOの議会で、世界のストレスを代弁したかのようなタイ代表の辛辣な意見に、「タイ料理みたい!」という反応が集まった(笑
)
※絶対に、日本代表には云えないような台詞だ。
さすが、SARSを封じ込めた経験のある国だね…。
タイ代表が、最後に締めくくった言葉が印象的だった。
「われわれは人々の恐怖感を和らげ、WHOの信頼を回復させなければならないのです。」
*ちなみに、3月14日現在、タイの感染による死者はたった一人である。
そう、みなこの騒動が沈静化することを、心から願っている。
それにしても、今頃パンデミック宣言してもね…。もっと、早い段階でWHOはパンデミックの可能性について警鐘し、人々を冷静に対処できるよう指導する必要があったけど…、ここでぼやいていても仕方ない。
さて、ここで質問です!
「パニックになることは役にたつか?」
そんなこと、あるわけない…。
そう答える人がほとんどだと思うけど、実際には怖れたり、抵抗したりすることをやめられる人は少ない。
しかし、怖れ・抵抗する負のエネルギーはネガティブスパイラルを下降するだけなんだけど…。
それでもいいのかな…?
いいわけないか!(笑)
では、この負のスパイラルから抜け出すため、理性を保って現実をよく見てみることにしよう。
つづく
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