参加者の声【ワンダーチャイルド・ワークショップ 2023 in 北軽井沢】仲間とともに、自分を生きる旅をする

今回私の中に大きく響いてきたものの一つが〝仲間〟の存在。
私はこの5日間、一人ではなく仲間とともに旅をした。

指輪物語のすべての登場人物が私のパーツだった。
そのすべてが在って私は成り立っているのだった。

講座の後半、3人グループで自分を乗り越える旅のワークした。
映画ではゴラムにあたるインナーチャイルド役、サムのようにサポートでありゴラムを敵視し切り離そうとするネガティブペアレント役、そしてフロドのようなワンダーチャイルド役の自分。
その設定がまず感動した。その3人の〝仲間〟で旅をするという意識。
今までの私の発想ではゴラムは仲間ではない。
自己中心的な自分、卑怯な自分、醜い自分は仲間ではない。それらは切り離したい自分。無くしたい自分。
だけど、様々な人格がいるからこそ旅ができる。
その一人ひとりを受け入れ、自分の世界を幸せに統治するポジティブアダルトの意識を取り戻していく旅が。

自分を確認するためのライティングワークで私は抽象的な言葉しか書けなかった。
それもエリさんから言われるまでは自覚がなかった。
表面的なことしか書かれていないとの指摘も受けた。言われるまでは掘り下げて書いたつもりになっていた。
おそらく現実と向き合っていないから具体的な言葉が書けなかったのだろう。私はずっと現実世界から目を逸らし逃げ続けてきたのかもしれない。。。
そんな自分を変えていくことは、途方もないことのように思われる。
自分の弱さ、未熟さを目の前にして愕然としてしまう。。。 
でも、進むしかない。成長したいのなら、今できることをするしかない。
後でグループの仲間にお願いしてどのように書いたのかを見せてもらった。もちろん、答えはない。読んで、何かを気づいていくしかない。
書いてみて、書けなくても書いてみて、何かを引き出していくしかない。
映画のシーンが浮かぶ。闇の力が圧倒的に大きく見える、明らかに負けそうな状況の中、今できることから逃げないアラゴルンたち。恐れに負けず光を信じて進む姿に心が震えた。その振動が私の中に刻まれている。

最終日に一人ずつ宣言をしたときに、仲間の一人が「目の前の人に対していつも正直でいます」と言うのを聞いて怖じ気づく自分がいた。私は正直でいられない。正直に表現することが恐い。でも、正直でありたい。
弱い自分が、恐れに負ける自分がいる。いる。ここにいる。
だからこそ、勇気を出す。恐れと勇気は仲間だ。

ドラマワークで母親役のエリさんに脇目も振らず猛進していく自分がいた。私はチャイルドそのものだった。ほかの者は要らない。お母さんが大好き。
それは指輪を求める者の強力なパワーと同じだった。
〝マイ・プレシャス(私の愛しいひと)〟
母と私が一体でいるその至福を手放せない。

旅のワークで、自分の具体的なビジョンをここでも言葉で表現できない自分がいた。
もごもごと言ってはみるがそれは自分の中心から出る言葉ではなく、力を持たず、形にならず、吐く先から風にかき消される。
しばらくやって、2人の仲間に助けを求めようという気持ちが生まれた。
3人で座り、手を繋ぎ、目を閉じてじっくり仲間を感じた。
2人の存在が、在る。唯一無二の存在。
そして私たちは今ここで繋がっている。
〈〝私は仲間と響き合うために生まれて来た〟〉
その思いが内側から込み上げてきた。
私は大切なことを思い出した。
それは私の魂の揺るぎない目的だった。

母の体内から出よう。
いくら幸せでも、この人生で私が本当にしたいことはその先の世界に出なければ体験できない。
さまざまな自分や他者とちゃんと出会おう。

最終日の帰る前、しんとしたアトリエで私は一人でワークで作った自分の王国の旗を大きく降って歩いてみた。
大きく、ゆっくり、堂々と。
今まで私はこんなふうに自分というものを大きく掲げて歩いたことがあっただろうか。
いつもどこかで自分に引け目を感じ、自分を隠し、取り繕っていた私。内側の空間に籠り、あるがままの自分を世界に表現して来なかった私。
旗を振って歩いたときに私と共に在ったもの、それは自分の国の一人ひとりの存在を感じ、それらと繋がっている王としての慈愛や誇り。
全てのことに私が責任を持っているから大丈夫だと言う自立的な心。
私の中に王が帰還した。

これから私は、出会う自分と他者の存在をじっくり感じ、自分の中心から出る言葉で表現し合い、真の仲間としての関係を築いていく。
私は自分の魂の欲求を生きる旅をする。

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