久しぶりに脚を伸ばし、大阪で表現アートのワークショップを開催しました。前回の関西専修講座から、約2年ぶり。
久々の大阪は、以前よりも景色も人もクリアで、深く暖かく感じる旅でした。
今回のテーマはインテグラルアートセラピー。
インテグラルという言葉に馴染みのない人達も、ただひたすら畳み大の紙と奮闘しながら絵を描き、ボディワークを楽しんでくれました。
理論よりも腑に落ちる体験を、表現アートが教えてくれるのです。
インテグラルは統合という意味を持つ言葉で、この考えを用いて、様々な視点を探検するのが総合的なインテグラルアートセラピーなのです。
インテグラル論という、少し難しい考え方をベースにしたアプローチでしたが、内容はとてもアクティブですごく体験的なものでした。
心理療法には、よく視点を変えて物事を再認識する「リ・フレーミング」という方法があるように、事態をどのように捉えるかによって、大きく意識が変化するということが起こります。
インテグラルでは、さらに広く深い視点を提供し、さらに身近な要素を掘り下げていきます。
自分という意識の領域や、心と身体との関係。
自分と他者とはどこで繋がって居るのだろうか?等、興味深く身近なテーマから、自分という風景がまるで違って見えてくるのがこのワークの面白さだと思うのです。
そして、本来絵は2次元の表現なのですが、もっと空間や立体感を感じてもらうために、3次元の作品を制作することも本ワークの興味深い特徴でもありました。
私達が棲む3次元の世界に存在する時間という幻想も、変化という名前として捉えることで、気づきが生まれたりするのです。
幼い頃、高い木の上から眺めた風景。
潜り込んだテーブルの下。逆さまに覗いた脚の間に見えた景色。
子供なりに、視点が変わる面白さを楽しんでいたのかもしれません。
大阪の広い会場の中で、皆子供に返ったように夢中で絵を描き、不思議な視点を体験していました。
インテグラルワークで着地点を見つけられなかった人は、最終日のリリースワークの中で答えを受け取っていたのが印象的でした。
考え尽くして解らなかったことが、ふとした瞬間、懐に転がり込んでくる時の安堵感。それは、初めて知った言葉ではなく、懐かしい響きを持っているのでしょう。
気づきと、理解とはどう違うのか?という質問を受けたことがありました。
理解は何かをオブラートに包んでしまう方法で、気づきは忘れたころ見つかる捜し物のようです。
大阪で出会った人たちの中にどんな気づきがあったのか…。
短い時間の中で十分に言葉を交わすことはできなかったけれど、宝物のような思い出として残る体験となりました。
関西そして遠くから集まってくださったみなさん、本当にありがとう。
素晴らしい時間でした。
大阪ワークでの深い体験をした3日間。
その余韻が抜けないまま、四国に一休みしに行ったのですが、フェリーの連絡時間や美術館の予約時間やらに振り回され、一転アスレチックなスケジュールとなり、これは想定外。
※これはまたの機会に関西四国珍道中記をしたためますね。
しかしながら、道中これも期待以上に美味しかった四国のうどんを堪能して、元気を取り戻し、一路北のアトリエを目指しました。