参加者の声【Drawing Art Therapy 2020】自分を知るために

私は、今までデッサンをすることも、絵を見に行くことも全くなく、特に絵に興味を持っていませんでしたが、『絵を描く脳と身体をつくる』という言葉に惹かれて今回このWSに参加しました。

1回目では、見本を真似て簡単な線やマークを描いたり、縦横のラインや円など基本的な描き方、腕の動かし方、姿勢等を習いました。難しいことを要求されているわけではないのに、『うまく描けない』『ちゃんとできない』と、心がどんどん沈んでいき緊張で肩が固まっていきました。

この感覚は、学生時代の授業中の緊張感と似ていて、ちゃんとしなければというマイルールで自分を縛っているように思えました。

この『ちゃんとしなきゃ!』の思い癖から抜け出す方法は分かりませんでしたが、エリさんや参加者の皆さんにこのもやもやする気持ちを聞いてもらえたので随分気持ちは楽になりました。

第2回目は、『自分』を粘土で表しました。私は粘土を球体にしてわざとひび割れや凸凹、シワを付けました。これは、ちゃんとした自分になりたいけれどそうなれないダメな自分を表現したものです。

そしてこの粘土の球体をデッサンしました。見て、描いて、見て描いてを続けているうちに、いつの間にか『観て』描いていて、『観る』ことに没頭している自分がいました。ひび割れや凸凹をありのままに観て描くことが快感で、左脳が空っぽになっている感じがしました。『ちゃんと描かなきゃ』という思いは一切なく、それよりもこのひびや凹凸がむしろかわいいなとさえ思えてきました。また、描き終えた後の頭のスッキリ感がとても新鮮でした。

この後にペアでシェアをしたのですか、私は「もしこの球体が真ん丸でつるつるだったら、まるで個性がなく自分のものとは思えない。ひびがあるからこそ愛しい。」と話していて、自分で自分の言葉にはっとしました。

そして、今まで私は物事を「あるがまま」でみてきていなかったのではないかという疑問が浮かびました。

3回目以降も、「あるがままをみているか?」ということを念頭に置きながら参加しました。

しかし、課題が私にとって高度になるにつれ、「あるがままをみる」ということがどんどん難しくなっていきました。

「難しい」「分からない」「出来ない」、そんな思いが強くなると集中力が切れ、頑張るどころか早く仕上げてさっさと終えてしまおうと、半ば諦めモードの自分が出てきてしまいました。

この感覚も、今までの人生の中で時々陥るパターンだなとおかしくて笑えてきました。

ただ絵を描くことで、自分の人生に対する行動パターンがみえてきて、面白いなぁと感じたと共に、このパターンを変えたいと強く思いました。

また絵を描いていると、その時の自分の心の揺れ具合や軸のなさ、思考のおしゃべり、見たくない自分に気づいたり、反対にものすごく集中している自分や研ぎ澄まされた感覚の自分に気付いたりもしました。

この他にもいろいろな大切な気付きがありましたが、ここには書ききれないほどです。

ドローイングのWSは終わりましたが、自分を知るために絵を描くことは続けていきたいなと思っています。

最後になりましたが、絵を描くことの楽しさや面白さに気づかせていただけたこと、そして絵を描く為の技術をこれほどまでに丁寧に教えてもらえたことに、とてもとても感謝しています。

全くの素人の私でしたが、これから絵を描いていきたいと思わせてもらえたことにも嬉しさでいっぱいです。

参加して本当によかったです。ありがとうございました‼️

(40代 女性)