参加者の声【Dream Map 2020 vol.1 】希望の灯火をともして

 夢がテーマということで、そんなに重いワークにはならないだろうと思いきや、そんなことはなく、インナーチャイルドと対面することとなった。

 私は、子どもの頃、将来の夢がなかった。生きることは、苦しいことだった。だから、このまま苦しい日々が続くのだったら、死んでしまおう、と思っていた。
実際に、本当に死んでしまおうとしたのだが、間一髪のところで助けられ、その後も生きることとなったが、苦しい日々は続いた。子どもの頃に感じていた絶望を、抱え続けた。
そして、病気になった。日々、死を意識するような病だった。完治が難しいと言われ、一旦何もかも諦めた。日常の景色から、色彩がなくなってしまったような感じだった。真っ暗で、何の光も見えないような世界。私は確かに、そういう世界にいた。

 そんな中、病気の根底に過去のトラウマの問題があることに気づき、癒しに取り組み続けた。その甲斐あって、病気が治り、新しい生活がスタートした。

 そして、今回のワークショップ。空き箱に、好きな写真を貼ってコラージュし、私のドリームボックスを作ることとなった。私が諦めてしまった、数々の夢、やりたかったこと、でもできなかったこと、そういったものと再び向き合った。沢山の雑誌等の中から、好きなものを選ぶにつれ、好きなものは、たとえ諦めたとしても、再び目の前に現れるのだな、と思った。
何度絶望しても、手放そうと思っても、本当に好きなものは、私にとって本当に大切なものなのだった。

 コラージュの素材を探す中で、とても好きだと思う写真に出会えた。心地よく、安心して、幸せそうに眠る女の子の写真だ。私はこんな風に、安心して眠りたかった。それができなくて、諦めてしまったけれど、私の心が求めているのはこれだ、と思った。私は、ボックスの中心となる部分に、その写真を貼った。とても幸せな気持ちになった。

 私が貼った写真には、子どもが沢山登場している。思いっきり遊んだり、驚いたり、とても強い表情を見せたり。そして自然の中で、伸び伸びと過ごしている。私はそんな風に過ごすことができなかった。失った時間を思うと、今でも痛みを感じるが、痛みを受け止めつつ、インナーチャイルドの声を聴いた。

本当はどうしたいのか、どんなことをすると楽しいのか。そうやって、チャイルドの存在を感じながら、ボックスの製作を続けた。私が本当に楽しいこと、喜びを感じることを知っているのは、私の中にいるチャイルドなのだと思う。私が幸せに生きるための鍵を握っているのは、彼女なのだと思った。

 最終日のワークで、3人のグループになり、一人がボックスを持って立ち、もう一人がボックスに向かおうとする私を引き止める、というワークに取り組んだ。
引き止める役の人は、私の腰にスカーフを巻いて、思いっきり引き止めてくれた。そこで私は、これまでの人生を思い起こした。私のいる場所の先には、ドリームボックスがある。ボックスの中には、灯りを灯したキャンドルが入っていて、ボックスは明るく照らされている。私は引っ張られて、そこに行くことができない。目の前のボックスがとても遠く感じられ、泣きそうになった。
そして私は、私を引き止める手を、私の手で静かに包み込んだ。これまでの苦しかった日々を、ただ抱きしめるように。そして、引き止める手が緩んでいった。私はその人にハグをして、ボックスの方へ向かっていった。

 ボックスの中は、明るく輝いていた。ボックスを前にして、私は泣いた。
私の人生に、明るい光は訪れないと思っていた。こういうものは受け取れないと思っていた。そして私は、手を伸ばして、ボックスを受け取った。

私の腕の中で、キャンドルの光が、私が貼った写真達を照らし出していた。私は、夢を見ていいのだ、そして夢を実現させていいのだ、そうやって生きることを諦めなくていいのだ、と思った。
絶望を抱いて生きてきた私の中に、希望の灯が灯ったように感じた。

 自分の中の深い部分と繋がり、新しい光を受け取らせてくれたこのワークショップに、心から感謝している。

そして、一緒にワークに取り組んだ皆様、アトリエワイエスの皆様、ありがとうございました。