参加者の声【Artist Gate 2019 vol.1】新たな変容のステージのはじまり

今回の”アーティストゲート”はこれまでのワークのようにプロセスワークのプログラムが設定されていなかったので、何をどのようにどんな媒体を使って表現するのか一から一人で考えなければならず方向を定めるまでにとても悩みました。自分が何を表現したいのかこれほど突き詰めて考えるのは初めての経験でした。

私は、ここ数年の自分の変容を表現しようと思いました。私の変容にはいつも”涙”が欠かせませんでした。先に涙が出て、その後感情に気づいて受容して…その繰り返しで私なりに少しずつ成長してきたように思います。
“涙”には感謝の気持ちでいっぱいで、大切に表現したいと思いました。
素材は『墨』を選びました。墨の匂いと墨がにじんでいく様子が好きなことが理由でした。墨が淡くにじんでそれが重なって濃くなっていくところが自分の変容と似ている気がして、にじみを重ねる度に感情が揺さぶられました。
最終的にどのようなスタイルにするのか決められず、とにかく手を動かしていろいろなにじみを試していきました。筆以外にスポイドや麻紐、毛糸、ミシン糸等…。
特に細い糸の動きが偶発的で面白く、その形が『涙』や『宇宙』『力』『変容』『再生』に見えてきて、試す度に鳥肌がたちました。また、途中休憩を挟んであらためて作品を見ると墨のにじみが変わっていてそれにも感動しました。『実験』って楽しいなぁと心から思いました。

以前に「この現実世界は実験だ」ということを聞いて本当にそうだなぁと思ったことがあって、今回作品を作りながらそれをまた感じていました。私の場合、「本番」と思うと人の評価を気にして肩に力が入って本来の自分を隠してしまう癖があるので、私はこの先もずっといろんな実験に挑戦し続けている方がリラックスしていて楽しいなぁ~とそんなことも思いました。

作品と共にポエトリーリーディングをしました。人前で表現することが苦手なのであえてそれをしてみようと思いました。怖かったのですが、参加者の中に「怖いけどやってみる!」という人がいて、その勇気に私も触発されました。

ポエムは、私の魂の声を表現しました。練習しようとすると涙で声が詰まって毎回最後まで読めませんでした。この涙は、魂が喜んで震えているからだと分かっていたので感慨深いものがありました。

作品発表を終えて、ここ数年の自分の変容はひとまず終結して、次のあらたな変容のステージが始まったような気がしました。
大好きな人たちに私の第一ステージの終わりを見届けてもらえたようで感無量でした。
今回のアーティストゲートでの自己表現は、一人で突き詰める部分が多くありましたが、一緒にいてくれる仲間がいたから4日間頑張れたんだなぁと思います。また、その仲間の作品を観ることも私の大きな力になりました。人が突き詰めて創造した作品のエネルギーはすごいなぁと感じました。
日常生活では、雑誌の表紙や食器、靴、家具等あらゆるものをみる時に「この形すごい!」「この作家さんどういう思いでつくったんだろ~」「この文字の表現方法素敵!」と興味をそそられることが増えました。

アーティストゲートに参加してとてもよかったです!
次回また開催されたときには、是非参加したいです。その時の自分の最高傑作ができるんだろうなと楽しみにしています。ありがとうございました!!